第30章

水原羽美は顎を上げ、まるで誇らしげな様子で言った。「そうよ、私がやったの!それがどうしたの!」

水原遥は笑い声を漏らし、スマホをスピーカーモードにして水原羽美の前に差し出した。

「じゃあ、自分で佐藤隆一に言いなさい」

次の瞬間、スマホから佐藤隆一の声が聞こえてきた。

水原羽美はすぐに慌て始めた。水原遥がこっそり佐藤隆一に電話をかけて、自分の言葉を引き出すとは思っていなかった。

「水原遥…、謀ったな。水原遥!!」

「私は関係ないわ。自分からペラペラ喋ったのはあなたでしょ」

突然電話が切れ、水原羽美の説明の言葉は喉に詰まったままになった。

間もなく、佐藤隆一が怒り顔で遠くから歩い...

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